ブロッコリ王子の冒険

どこの家庭でも子供たちを寝かしつける時のお決まりの寝物語があるのではないでしょうか。 　我が家の姫は１１年度に新入学しました。王子は年小です。贅沢にも子供ひとりに大人がひとりずつつかないと寝ません。親子４人の創作童話として平成１１年の冬から春へとできあがっていった寝物語を掲載します。 　ご感想や、「我が家にもそんなものがある」といったお話を掲示板にいただけると幸いです。 　むかあしむかし、あるところにけんこう王国という国がありました。 　王様の名前はピーマン、ピーマン王です。 　お后さまの名前はニンジン、ニンジン王妃さまです。 　王子様の名前はブロッコリ、ブロッコリ王子です。 　お姫様の名前はリンゴ、リンゴ姫です。 　２人に向かって王様はいいました。 　「今こどもたちはとてつもない危機におちいっている。こどもたちをとりまく世界は不健康きわまりないグミ大王の手先に支配されている。きみたち２人は旅に出て、行く先々で健康の仲間を捜し、力をたくわえてグミ大王を倒すのだ。力になる道連れをやろう。名犬マヨネーズだ。」 　こうしてブロッコリ王子とリンゴ姫、そして名犬マヨネーズは健康な仲間を捜す旅に出ました。 　旅を続けるブロッコリ王子の前にやってきたのはほうれん草です。 　さて、ブロッコリ王子、リンゴ姫、ほうれん草を健康の仲間にまぜるかな？ 　我が家の姫と王子は物語中の人物に成りきって訪問者の品定めをします。 　どうやらほうれん草は仲間に入ったようです。 　こうしてブロッコリ王子とリンゴ姫、名犬マヨネーズとほうれん草は仲間を捜す旅に出ました。 　旅を続けるブロッコリ王子の前にやってきたのは眠りです。 　さて、ブロッコリ王子、リンゴ姫、眠りを健康の仲間にまぜるかな？ 　この時は議論続発でなかなか結論が出ませんでした。ようやく出てきた結論は以下のようでした。 　こどもたちは夜育つんだ。だから夜の眠りは大切、すばらしい健康の仲間だ。しかし、朝の眠りは学校や保育園に行くのをじゃまする、とても悪いやつだ。 　眠りよ、君は１人のようでいて、実は２人いるはずだ、さあ、夜の眠り、こっちへおいで、一緒にグミ大王を倒す旅を続けよう。 　朝の眠りよ、正体を現すんだ。君はグミ大王の右腕ともいわれる不健康の仲間だ。すぐに立ち去るんだ。そしてグミ大王に伝えよ。わたしたちが力を蓄え、魔王を倒しに行くと。 　すると眠りは２人に分身し、朝の眠りは言いました。 　「ええい、夜の眠りと一緒におまえたちの仲間に化け、悪さをしてやろうとしたが、ばれては仕方ない。このことをグミ大王様にお知らせし、必ずおまえたちを倒してやるからそう思え。」 　こうして夜の眠りを仲間に加えたブロッコリ王子たちの旅は続くのでした。 　　　　　　だからね、夜の眠りは大切なんだ。２人とも、すぐに眠るんだよ。 　と毎晩毎晩、健康な仲間を捜しながら、我が家の姫と王子は眠りにつくのでした。 　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　とりあえず今晩はおしまい